今回は、香港・ボンド・グループの執行長として、日本への投資も積極的に考えていらっしゃるアンソン・チャンさんへの特別インタビューを掲載します。
本日はありがとうございます。簡単に生い立ちをきかせていただけますか?
----アンソン
1963年生まれで、4人兄弟の長男です。弟はアメリカ・ハリウッドで映画プロデューサーをしていて、妹ふたりは香港に住んでいます。私は子どものころからとにかく好奇心が強く、活発でした。成績は常にトップクラスでした。それで、留学先に全米でもトップクラスの大学、カリフォルニア州バークレー校を選び、そこで学びました。卒業後、トロント大学でMBAを取得し、米国イリノイ州公認会計士やカナダ・オンタリオ州公認会計士も取得しました。
最初のキャリアにCPAを選んだ理由はありますか?
----アンソン
会計は国際展開をする大きな企業を経営する上で必要不可欠のことです。中小規模の企業であればキャッシュフローがコントロールできるが、支店や子会社を多く持つ大企業になるとリスクコントロールが難しくなります。ですから、世界最大規模のアーンスト&ヤングで企業会計に携わることを選びました。
家業継ぐ予定にはなっていたのですよね?
----アンソン
はい。長男としてゆくゆくはそうなる予定でしたが、母はすぐに自社で働くことには反対で、インターナショナルな視野を他の会社で学ぶように勧めてくれました。私は自社に入るまで10年間、他の会社で働いてきました。そして自社の経営を継いで10年になります。
ご両親から学ばれたことが大きいのですね。
----アンソン
両親共にとても寛大な人でした。社会貢献の一環としてチャリティーと教育に力を注いでいました。父は、祖父が台湾・国民党に資金援助をしたということに影響を受け、政治に興味を持つようになりました。ビジネス界の人間が政治に関わることには微妙な問題はありますが……。母からは社会貢献することの大切さを教えられました。
ビジネスでモットーとしていることは何ですか?
----アンソン
自社を拡大し続け、主要マーケット(香港、中国、台湾、イギリス、カナダ、アメリカ)でバランスを取りながら利益を上げることです。それと大切に考えていることは、拡大する時は急がない、ということです。
それはいいことだと思います。
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