経歴を見ると、オリックスの中で本当にさまざまな役割を担われてきたことがわかりますね。
----梶原
一度は銀行員にもなりましたしね(笑)
本当にさまざまなご経験をお持ちな梶原さんには、お伺いしたいことがたくさんありますが、ここではすべてをお聞きすることができないのが残念です。そこで是非お伺いしたいことが、仕事をしていうく上で一番モットーとしていることが何か教えてください。
----梶原
それは、別に経営者の方に向けての話だけではなくて、すべての方に言えることだと思うのですが、その時の自分のポジションをよく理解した上で、一生懸命にその仕事をやることが何よりも大切だと思います。まぁ当たり前のことなんですけどね。そうすればきっと道は拓けてくるのではないかと思います。
梶原さんは今もいろいろと兼務なさっていますよね。
----梶原
ええ、それぞれ一生懸命やっていますよ。
株式会社 大阪シティドーム(京セラドーム大阪)の会長もなさっていらっしゃいますよね。
-----梶原
京セラドーム大阪は皆さんにもっと使っていただきたい場所ですね。野球をやるだけのところではないので、いろいろなことに使うことができるんです。3万人も収容できる、せっかくの施設ですからね。こんな風に使えないかというアイデアもどんどん出てきたらいいなぁ、と思っています。あっ、もちろんプロ野球も観に来てただきたいですよ、私はオリックスのオーナー代行でもありますから。球団にも頑張ってもらって、総合的に盛り上がるといいですね。
来年はアクセスもよくなりますね。
-----梶原
そうですね。皆さん、お待ちしていますよ!
もうひとつ是非お聞きしておきたいことが……。尊敬している経営者はどなたですか?
----梶原
それはやはり、“宮内義彦”、ですね。それまで日本になかった新しいマネジメントを実現した人間です。ちょっと話は変わりますが、宮内さんと同世代で頑張ってきた方には、共通点があると思うんですよ。戦争を知っていて、その後の復興を知っていて、アメリカから入って来た新しい文化にも柔軟に対応し、またアメリカに行って学んでくるようなこともしてきた人たちです。確かキッコーマンの茂木さんもそうなんじゃなかったかなぁ。長嶋茂雄さんや故・仰木彬さんも同じ世代ですね。大変に辛いことを経験し、そしていいことを経験し、今までになかったことを学んで、新しいものを生み出すことになった、というのが私の仮説です。いずれにせよ、ビジネスにおいて、常にチャレンジを続け、その結果、新しい価値を作り出した点で、宮内さんのことを大いに尊敬しています。
では、最後になりますが、関西の若手起業家へのメッセージをお願いします。
----梶原
大阪がちょっと元気がないですからね、昔の元気さを取り戻して欲しいと思います。そのためには若手の皆さんに頑張っていただくことが必要です。大阪はインフラが整っているのでビジネス環境としては申し分ないところ。オリックスもバックオフィス機能は東京から大阪に持ってきたりしています。でも、それ以上に皆さんの頑張りが関西を盛り上げるのには大きな要素だと思います。そのために贈る言葉としては、“戦略は大胆に、戦術は緻密に”、ということです。失敗を怖れずに常に挑戦して欲しい。ベストを尽くせば失敗しても恥ではない、しないに越したことはないが、絶えず明るく積極的に挑戦をしていくことが大変大事です。
若い人たちの力に期待していますし、きっと大阪を、日本を、アジアを素晴らしいものにしていってくれると信じています。
す。
本日は大変お忙しいところ、誠にありがとうございました。
(2008年9月25日取材) |