今回のトップリーダーインタビューは、住友銀行、三井住友銀行、三井住友カードで経営の第一線で長年ご活躍なされ、現在は三井住友カード株式会社の特別顧問の栗山さんにお話をお伺い致します。本日はどうぞよろしくお願い致します。まず簡単に生い立ちなどをお聞かせください。
----栗山
私は奈良県の平群というところで生まれ、中学校までは奈良、高校は大阪出て、大学は東京に行きました。大学では法学部の政治学関連の専攻でしたが、欲張りな性格からか経済学部の講義を受けたり、文学部の講義に顔を出したりもしていました。
将来の目標は何かあったのですか?
----栗山
いや、恥ずかし乍ら考えていなかった気がします。父親が新聞記者でしたので、おぼろげながらに新聞記者もいいかなぁと考えたりはしていましたが……。でも父は、「東大に行ったのなら官庁に入れ」と言っていました。
それを目指されなかったのは?
----栗山
法学部の中の政治学サークルで現役の官僚の方々にアンケートをして、その内容を分析して大学祭で発表したりしていました。その中でけっこう生意気に批判的なことなども書いていたので、官僚になるのはちょっと気が引けるところがありました。
では、何故住友銀行に?
----栗山
大学4年の6月頃でしたか、故郷に近い関西でひとつくらい企業を決めておかないと、と思って学生課へ行くと、パンフレットに上品な白髪の紳士が載っているものがあった。当時の堀田頭取で、それが住友銀行。「あっ、住友なら知っているし、いいんじゃないか?」と思って電話をかけました。その後、面接が進んでいって内定。それで父親に、「やっぱり官庁はやめて、住友銀行にした」と報告したら、「おっ、住友なら有名やし、エエなぁ」と。親父もいいかげんなものでした(笑)。
入行以来、仕事上の信条というか、大切になさってきた点は何ですか?
----栗山
「納得してやる」ということです。納得したら思いきりやるんですね。言い換えれば、正々堂々と仕事することが大切だということです。自分の頭で考えてこうだと思えば、責任を持って行なえます。自分自身が納得できて、お客様にも納得していただけることで、そして天から見ても納得できることであること。これが『則天去私』という言葉につながることでもあります。
座右の銘である「則天去私」ですね。自己本位の考えを捨てて、物事をみることですね。
----栗山
そうです。私心に捉われているとレンズが曇って物事の本質が見えませんね。正々堂々とした仕事でお客様に評価してもらうことが大切だと思います。
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