株式会社 M.I.E.コーポレーションがお送りする財界の著名人を対象としたトップリーダーインタビュー

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[トップリーダーに学ぶ ]
先見性、実行力、決断力に長けた人物で“和魂洋才”の精神で物事に向かう人がこれからの日本を引っ張るリーダーだ!
企画、立地、経営・・・様々な分野で原点に立ち返って努力する

QUESTION関西電力に入社後はどのような業務をなされたのですか?
----宮本
 色々なことをしましたよ、本当に。経済企画庁(現内閣府)に出向したこともあります。そこでは日本経済の予測をしたりしていました。全く知らない分野だったので、かなり勉強しないといけませんでした。ですが信念を持って頑張れば結果は出るものですから。「もう少し(経済企画庁に)残らないか?」と誘われましたが、やはり専門ではないので関電に戻してもらいました。

QUESTION普通ではなかなかできない経験ですよね。
----宮本
 そうですね、電気出身で何も知らなかった私がエコノミストのように経済分析するのですからね。普通の会社にいたらできませんね。結局、気がついたら関電で総務と資材担当以外の部署はすべてこなしてきました。新しい部門を任される度に、1からのスタートだったので大変でした。大阪メディアポート(現ケイ・オプティコム)に出向して社長を務め、現在の通信事業の立ち上げ等もやりました。特に大変だったのは「立地(電源立地)」を担当した時でしたね。関電は当時、新しい発電所を20年以上建設していませんでしたからね。誰もできないから、それを何とかしろ、ということでした。それでまず景気変動と電源立地の相関関係を調べたところ、景気が悪くなると税収を確保したい自治体が立地に前向きになるという傾向をつかみました。そこで各地点毎に立地戦略を立て、水力発電所や火力発電所の立地を推進し、実際に発電所の建設をいくつか決めました。しかし、その後、経済成長の鈍化により電力需要が低迷したので、新たな発電所が不要になったのはちょっと皮肉なことでしたが・・・。

QUESTION大変だったとお察ししますが、結果を出されたのはさすがですね。
----宮本
 実は私が行くところは大変なところばかりなんですよ。きんでんしかり、関空しかり。そういう運命がついてまわるのですかね? きんでんでは、電力会社からの仕事が先行き大幅に落ち込む見通しになったので、希望退職者を募りました。経営者としては苦渋の選択でしたね。それは、体(企業規模)に合わせたオーダーメードの服(業績)を着るのではなく、服に合わせた体にしようとしたということです。大規模な改革によって現場が活気を取り戻し、生産性もアップしました。一方、関空では、スタッフの意識改革から始めて、関西経済界や府県の支援も合わせて全社一丸となったプロモーション活動やコスト削減に努めた結果、ようやく光が見えてきたという感じですが、まだまだ道半ばです。第2滑走路がオープンし、順調に利用が伸びるよう頑張っていかなければなりません。

変化する時代に対応し新しい道を見つけよう

QUESTION経営面で特別に影響を受けた方はいらっしゃいますか?
----宮本
 本当に多くの素晴らしい方と接してきたので、特にこの人が師匠だという方はいらっしゃいませんが、しいて挙げますと関西電力の会長を務められた小林(庄一郎)さんでしょうか。あの方が営業次長の頃からのお付き合いでした。当時私は経企庁帰りで経済に関しては自分の方が上だと思っていましたから、よく小林さんの意見に歯向かっておりました。後でみんなに「あの時、もうちょっと歯向かってなければ社長になれたのでは」と言われましたけどね(笑)。

QUESTION宮本さんの経営モットーとは
----
宮本
 時代と企業をとりまくニーズの変化にマッチした変革をしていかないといけないということです。元々、日本人は変化に対応する適応能力に長けていると思います。

QUESTIONこれからの経営者に問われる資質は?
----
宮本
 第1は、“パスファインダー(PATH FINDER)”であること。これは「道を見つける人」という意味で、つまりは『先見性』があること、時代の変化をどう読むかということです。第2は、『実行力』、実践していく力です。第3は、『決断力』、間違った時に方向を修正する力と言っていいでしょう。この3番目がなかなかできない。特に年を取るとできない。ですが悔い改めることは非常に大切なことです。さらにもう一つ、『和魂洋才』の精神。先程申し上げた適応能力と同じ意味で、自分のよいところを活かしながら、他者のよいところも受け入れていくことが重要だと思います。

QUESTIONでは最後に若手の経営者の方へのアドバイスを
----
宮本
 これからの日本の将来には、少子高齢化、エネルギー・地球環境問題、グローバル化、財政赤字という大きな4つの課題があります。本来日本人の持っている真面目さと適応能力に長けたDNAがあれば、これらの課題をクリアしていけると私は楽観的に考えています。しかし、そうするためには将来のビジョン(理想像)をもつことが大切です。どんな日本にするのか?どんな会社にするのか?さらにその目指す目的に至る『道のり』を思考することが肝要です。そして、それを実践できる人材育成と技術革新が重要になってきます。バイタリティと根性があり、たくましさの上に強かさ(したたかさ)も持ち合わせ、日本人としての品格も兼ね備えた人材が今後ますます要求されるでしょう。そういう若手がたくさん増えてくれば、美しい日本につながり、『日本の陽もまた昇る』だろうと確信しております。

本日はお忙しいところ誠にありがとうございました。

(2007年6月5日取材)
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