卒業後はカナダの大使館等にいらっしゃって、その後大和ハウスに入社されたということですが、どのような経緯で入社されたのですか?
----河合
私はカナダ大使館で商務官をしていまして、大和ハウスがカナダの木材を使っていた関係から大阪で開かれる会合等で石橋さん(故・石橋信夫会長)にお会いしていたのです。最初にいつ出会ったかは定かではないんですが、気が付くといつも私の前の席に座っていらっしゃいました。
直々に眼をお付けになられたということでしょうか?
----河合
自分にプラスになる話をする人間と積極的に話をしようという姿勢だと思います。 結局はグローバル化を目指していく大和ハウスに来ないか?と誘われた訳ですが、最初は将来の保証はないし迷いましたね。でも、一代で大和ハウスを築き上げた大経営者と共にいれば、何か学べるものがあると考え、この縁を大切にしようと思い、入社しました。
大和ハウスの海外展開ではどのような役割を担われたのですか?
----河合
私は海外における石橋さんのスポークスマンでした。一切英語を話されない方でしたからね。石橋さんの伝えいたいことを、ベストな内容で世界に知ってもらう為にやってきて、それをできたという自負はあります。ずっと身近にいて、彼の哲学や理念が100%理解しているからできたことだと思います。
実際に行動を共になされて、石橋さんはどのような方でしたか?
----河合
経営に対する勘、実践力、勇気、決断力、人を見る眼力、いずれもすごい人でした。本もよく読み、勉強熱心で知識欲も旺盛でしたね。そして何よりも約束を守る男だから、人から信用されたんだと思います。
やはり偉大な経営者でいらっしゃったんですね。
----河合
はい、そう思います。そんな方に、晩年お見舞いに伺った時に、『ありがとう。ご苦労だった。』と言われた時は嬉しかったですね。
これから会社を発展させていこうと考えている経営者の方々に経営のアドバイスを頂きたいと思います。
----河合
信用を守る、流れを読む、社会性を持つ、ということは普遍の真理だと思います。しかし実際の経営というものは、時代によって変わってきます。社会を取り巻く法律も変わってくるんですからね。要は会社が上手くいけばいいわけで、昔の良いところは学び守りつつ、時流に合った経営をするということが重要だと思いますね。
では、最後にメッセージを頂きたいと思います。
----河合
私が企業経営にとって大切だと考えていることは、大きく言うと次の2つの点になります。まずは、『コア・コンペタンス』を確立することです。それは、商品であったり、技術であったり、サビースであったり、その会社独自の価値を提供できるものをしっかりと持つことです。そして『マネジメントを継続的に続ける』ことも大切にして欲しい点です。会社を短命に終わらせてはいけないのです。この2つの点を十分に意識して頂きながら、信用を守ることも大切にし、人材を育てることや探してくることを的確に行ない、競争に負けないように時流を読むことなどができれば、
成功は間違いないのではないかと思います。
本日は大変ありがとうございました。
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