大阪大学の産業科学研究所では、どのようなことなさっていらっしゃるのですか?
----千田
新産業創成研究部門・新産業創造システム研究分野でやっていこうとしているのは、日本で新たな産業を興していくためのシステムをどのように作っていくか、そのためにこれから何をしていくべきなのか、ということの研究です。先程申し上げた、ベンチャー的な研究とビジネスの接点を作ったり、研究・ビジネスの両面で活躍できる人材を育てていくこともテーマです。また、“知財”を売っていくこと、いわゆるノレッジ・マーケットを、日本でどのように作っていけるかなども、重要な課題と考えて取り組んでいます。
これからの日本産業をどうやって盛り上げていくか、という面で非常に大切になってくることですね。それでは最後に、そんな日本経済の将来的な発展についての研究もなさっていらっしゃる千田さんから、これからの時代を切り開いていく経営者の方々へのメッセージをお願い致します。
----千田
そうですね、私がこれからの時代の経営者、と言うか、次代のリーダーとなっていかれる方々に持ってほしいと思っている考え方をひと言でお伝えするなら、“Do
Science and Networking.”です。
バイリンガルの千田さんらしいお言葉ですね。
----千田
ここで言う『サイエンス』という言葉は、何かの研究をするということではなく、物事の原理を自分なりによく考え、理解することを意味しています。つまり、本質を見極めることですね。これからの時代は、そのように本質をしっかりと見て、考えることが大切な時代です。単に知識を蓄積することがビジネスになるのではなく、如何にしてそれらを活かしていけるかを考えることがビジネスになる。そして、ビジネスの発展には『ネットワーク』、つまり人の繋がりは欠かせません。このふたつが、これからの日本経済を発展させる鍵だと思っています。ですから、“Do
Science and Networking.”ということを、常に念頭に置いて、皆さんのお考えになっているビジネスに邁進していただければ、日本の未来も明るいのではないでしょうか。
いいお言葉を頂きました。本日は誠にありがとうございました。
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