今回のトップリーダーインタビューは、大和銀行で副頭取を務められ、大阪産業振興機構の理事長としてご尽力なされた遠藤さんにお話をお伺い致します。京都大学から大和銀行入行という経歴ですが、学生時代からやはり優秀であられたんですか?
----遠藤
そんなことは全くないですよ。大学に入った時は、教官との面談で「成績はあまりよくないぞ」と言われたくらいです(笑)。勉強するよりも、スポーツをしてグランドを駆け回っていることの方が好きでした。野球をやっていましたから。我々の当時はやっぱり野球が人気でしたから。でも、そういうスポーツやクラブでの活動を通じて学んだことも多いんですよ。中学の頃、学校が合併することになって、野球部もそれぞれにあったものがひとつになることになった。丁度、プロ野球の近鉄とオリックスの合併みたいな事態が起こったんです。私は新チームでキャプテンになったので、どうしようかと考えないといけない立場に立たされました。
その時、どうなされたんですか?
----遠藤
試合でね、1回から4回まではひとつの学校の部員を出し、5回からは全部違う学校の選手に変えるということをやったりしました。まぁ、勝つことを目的にしているチームだと、問題あるかもしれませんが、そういうレベルじゃなかったので。やっぱり野球をやっているからには、プレーしたいでしょ。そういう気持ちをどうやったら満足させれるか考えた結果です。
普通ではちょっと考えられないようなやり方ですね
----遠藤
次の年からは、最初に3年生を出して、途中から全部2年生に変えるなんてこともしました。3年生は引退してしまうんですから、下を育てていかないと意味がないですからね。
確かにそれはどこの組織でも言えることですね
----遠藤
実際、銀行でもお客さんを担当2人で回らせる作戦を取ったんです。担当が転勤してしまうと定期預金などが解約されてしまう場合が多かったから、最初から2人で行っていれば、そういうことも減るのではないかということで。そういう発想ができたのは、スポーツを通じて、組織をうまくやっていく方法を何となく身につけていたんじゃないかなぁ、と感じています。銀行時代に、企業の大型な合併に立ち会ったりもしました。そんな時にも学生の頃に合併を経験したことがどこかで役に立っているのかもしれませんね。
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