----本日はお時間を頂き、ありがとうございます。まず、棚倉さんの経歴を簡単に伺いたいのですが?
関西の大学を卒業して、オリックスの前身のオリエント・リース株式会社に就職しました。実は、私は一旦オリックスは辞めているんですよ。6年ほどオリックスに勤めた後、海外の不動産に投資する会社に転職し、その後外資系の企業の日本支社で経理の仕事をしました。
----外部での経験を積まれて、オリックスに戻られたということですか?
外資系の企業に勤めている頃に、法政大学の夜間の大学院で投資ビジネスを学び、非常に面白い世界だと思ったんです。これまでの自分のキャリアを活かしながら、産業を育成するような仕事をしたいと思うようになりました。それでオリックス時代の上司に相談したところ、オリックス・キャピタルの紹介を受けたんです。
----それでベンチャー・キャピタリストになられたのですか?
最初はオリックス・キャピタルの管理部門の責任者をしていました。しばらくして、会社の問題点を挙げてみろと言われて、自分なりの意見をまとめたところ、「じゃ、お前がその解決をやれ」と言われました。それで、プロジェクト営業部長として、産業を育成するような業務に携わるようになりました。やりたい人間にやらせる、問題意識を持った人間にさせるというのが、オリックスの企業風土なんでしょうね(笑)。
----非常にいいことですね。
逆に言った方からすると、もう逃げ道がないですけどね。言った以上はやらないといけない。でも、非常にモチベーションは上がりますよね。
----ベンチャー・キャピタリストとして、関西の市場はどうご覧になっていますか?
関西のベンチャー市場では、もの作り関連の業種に非常に興味のあるものがたくさんあります。こだわったもの作りや独自の技術を持っていらっしゃるところがたくさんありますよね。昔から“もの作り文化の風土”がありますから。ただ、その一社だけで、技術開発、量産、販売、マーケティングをやっていくのは非常に難しいですよね。投資という側面を中心にしながら、さまざまな面でのサポートを考えていくのが我々の仕事だと考えていますので、そういう点で我々がお役に立つことができれば、関西のベンチャーも活気づくのではないか、と思います。
----確かにその通りですよね。
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