----では、これからの展望をお聞かせください。
弊社が扱っているメインの商品は、キャラクター商品です。キャラクター商品というのは、ちょっとしたことで心が和む、安らぎを感じられるもので、お客さんの心に訴えかけることができなければいけないものです。そのためには、私たちの会社自体が気持ちよく仕事ができる、温かい場所であり続けることが大切だと考えています。女性社員が出産などで退社しても、また戻ってこられるような会社だったらいいと思いませんか? 仕事には厳しくても、家族的な温かい会社を継続していけるようにしたいと思っています。
----それはとてもいい組織だと思います。
デジタルな時代ですが、弊社の商品自体は人の心に安らぎを与えるアナログなものなんです。だからこそ、アナログ的な何となくいい雰囲気だなぁと思えることって、すごく大切だと感じるんです。共に苦労をしてきた、一緒に頑張ってきた、気の合った仲間たちとずっと仕事がしていきたい。いくらお金を持っていても、ひとりで美味しいものを食べるより、仲間と一緒にみんなで食べた方が美味しいし、楽しいはずでしょ。うちの会社では毎年、社員旅行も行ってますよ。今年は運動会なんかしてもいいかなぁ。企業経営には売上や利益もちろん重要なことではありますが、まずは組織としてよいものでなければ、会社の発展自体が見込めない。そのように私は考えています。
----すごくいい雰囲気の企業だと伺い知れますね。それでは、最後になりますが、これからの若手経営者や上場を目指す経営者の方にひと言メッセージをお願いします。
いろんなことに欲を持つと成功するのは難しいんじゃないでしょうか。何かを得ようとすれば、失うこともある。事業を成功させようという欲を持っているなら、他のことは犠牲になるかもしれません。でも経営者である限り、事業に対しては執着心を持って臨まないといけないと思います。まぁあとは社長業というのはストレスの固まりですから、仕事の中で楽しみを見つけて頑張って欲しいですね。
----企業にとっては、やはり信用が一番大切なことなんですね。
そうです。IPOは信用があって、増収・増益の企業であれば、自然に出てくる選択肢のひとつなんです。健全な経営を行なっていて、毎年業績が上がっていれば、その先にあるものだと思います。必ずしもIPOすることがいいことかどうかは、私にはわかりません。ただ弊社はそれを選択したことによって、会社が大きく飛躍する契機にもなったことも事実です。ただ、ひとつ先輩としてアドバイスするならば、『上場に向けて無理な計画は立てない』ということですね。IPOは、信用の集大成のようなものですから、正直でない数字を上げたり、実際にできないことを掲げていると実現することはないと思いますよ。
----本日はどうもありがとうございました。
(2006年9月4日取材)
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