----本日はお忙しいところ、ありがとうございます。まず、中小企業にとっては大変な時期を迎えていますが、ズバリ、生き残っていく企業に必要なことは何でしょうか?
一言で言えば、「あたり前のことをあたり前に行なっていく」ことだと思います。あたり前のことは各企業で違うとは思いますが、無理なことをするのではなく、現場を大切にすること、経営とは人を育てることと考えて、今やるべきことと将来を見据えたことをきちんと考えて経営していくことだと思います。
----仰る通りだと思います。ではまず、内海さんが現在のようなコンサルティングの仕事をされるようになられた経緯からをお伺いしたいのですが?
こういう話はあまりしたことがないので、ちょっと恥ずかしい気もしますが、この機会にお話ししますと、私は高校を卒業する段階では、大学受験もしていましたがあまり行く気はなく、それよりも庭師になりたいと考えていました。
----庭師……、ですか!?
ええ。弟子入りしようと決めていたくらいですから(笑)。でも、大学の受験前日に祖父が亡くなったんです。非常に私のことをかわいがってくれていた祖父でしたから、近くに行けば4年間はお墓参りもきちんとできるし、どこかで祖父が呼んでいるのかなぁと思って、受験して合格したので進学しました。
----内海さんにアドバイスをいただいて会社が好転した経営者の方にお話したら、庭師になられなくてよかったと思われるのではないでしょうか(笑)。大学では経営関連について学ばれたのですか?
いえ、工学部で学んでいました。
----それが何故現在のコンサルティングのお仕事に?
私の父は鉄工所の経営者でした。父は家庭では一切仕事の話はしない人なので、家業を継ぐとかは全く考えたことがありませんでしたし、そうさせようとも思っていなかったと思います。でも、私が中小企業のために何か力になるようなことがしたいと思ったのは、私が子どもの頃から知っている父の知人で、父と同じく経営者だった方が自殺されたことがひとつのきっかけです。
----どういうことをお考えになられたのですか?
中小企業には圧倒的に知識や情報が不足しているんです。知ってさえいれば乗り越えられることがたくさんあるのに、その“知恵”がないばかりに窮地に追い込まれてしまう。そんなことを少しでも避けられるようにしたい、中小企業を“知恵”でサポートすることで経営者の方も社員の方も明るく元気で働ける会社づくりの役に立てれば、と考えるようになりました。それで大学卒業後、大手メーカーに9年ほど勤務し、その後会計事務所で働き会計実務を学び、平成6年に独立して、現在のクリエイションを設立しました。
----今の内海さんは中小企業経営者の方には本当に強い味方ですものね。
それはどうでしょうか……。でも、自分のできる限りのことは何でもして、中小企業の役に立てればと思っていることに変わりはありません。
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