----本日はお時間を頂き、ありがとうございます。まず、前田さんの生い立ちを簡単に伺いたいのですが?
昭和39年に北九州小倉で生まれ、すぐに父親の転勤で大阪に出てきて、中学3年の夏にはまた小倉に戻りました。小学校から高校までは野球に明け暮れていました。目指すは甲子園でしたが、それが実現できなくて高校3年で野球部人生が終わった時、何をしたらいいのか本当に分からなくなりましたね。
----それだけ野球に集中されていたんですね。今でもやっていらっしゃるんですか?
ええやっていますよ、ロータリークラブのチームで。そこでは若手として期待されています(笑)。
----高校卒業後はどうなされたのですか?
大学で法律の勉強をしまして、卒業後、オリックスに就職しました。野球部時代のメンバーの中には、つい最近まで私がプロ野球のスカウトだと思っていた人もいるみたいですけどね(笑)。
----起業はいつ頃からお考えでしたか?
大学時代から起業しようという思いはありました。大学卒業時点では、はっきりこれがしたいということはなかったんですが、自分が学んだ法律の知識が一番活きるのは金融の世界だと思っていたのと、お金の動いていく方向を見ていればモノとサービスがどう流れていくのかがわかるので、金融関係で経験を積めば、何を自分がしたいかがわかるのではないか、とは考えていました。そこでリース会社であれば、新しいことにチャレンジしやすいだろうという思いから、オリックスを選びました。
----実際オリックスを選んでどうでしたか?
非常に良かったと思いますね。今でも感謝しています。オリックスには1997年の4月末まで9年間勤めました。そして、5月1日に今の会社を作りました。
----会社名の由来を教えて頂けますか?
『燦』は太陽のSUNのあて字です。意味としては、太陽が星や花や街々を広く照らすのと同じく、投資会社として不動産、事業、会社など様々な分野に光を当て、そこで中長期にわたり事業の再生もしくは新生・創生へと携わり、社会の中で人づくり、事業づくり、会社づくり、ひいては国づくりへも資する存在でありたい、という思いを込めております。
また『キャピタルマネージメント』は、欧米市場で先行している投資銀行業務を表したものです。このように『燦キャピタルマーネジメント』の社名の由来はまさに「和魂洋才」にあるのです。
----いいネーミングですね。
投資会社というと欧米的なイメージがすると思いますが、私は企業経営の神髄は、この社名の基ともなっている「和魂洋才」の考え方にあるんじゃないかと思っています。
----それはどういう意味で?
欧米的なイメージでは、企業はバランスシート等で数値的に価値を見られることが多いです。そのことが一概に悪いとは思いません。しかし実際には、企業の中心は「人」なのです。人がちゃんと仕事をして、そのサービスで世の中に認められていくということです。「人」を中心に置くという古き良き和の心は、忘れてはいけないと思います。そういう意味で、業態は欧米的な投資会社ですが、和の心を忘れない「和魂洋才」っていうのは大事なことだと思います。だから私も“人”中心の会社にしていきたいと思っています。
----素晴らしいお考えですね。同じようなお考えをお持ちの方々もいらっしゃるとは思いますが、前田社長は「そうでなければならない」と思っていらっしゃる。根幹からそうお考えになっていらっしゃいますよね。それが本当に素晴らしいと思います。
ありがとうございます。私が基本とすることは、人が中心の会社で、世の中の役に立つ事業をしていきたいということです。例えば、利益を上げるために、コストカットで利益を出していく会社が多いのが現状ですよね。でも、それでは国のためには何にもならない。ただ格差を生んでいくだけです。そうではなくて、弊社が考えているのは地域活性化。弊社が関与していくことでその地域が活性化すれば、それは引いては国の力にもなっていく。これは中長期的に考えていかないといけないことですけどね。今の世の中は、短期収益主義があまりにも多すぎるのではないでしょうか。 |